沖縄経済同友会(渕辺美紀代表幹事)は8日午後、那覇市で6月例会を開催し、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の下地芳郎会長が講演した。下地氏は今年の入域観光客数について「300万人から400万人くらいになる」と指摘。対前年比で6割から7割減になる可能性を示した。今後、感染第二波・第三波の影響が小さい場合、観光客数が増加する見通しを示し、県全体で団結し取り組むべきと力を込めた。
下地氏はOCVB内で分析した今年の入域観光客数を説明。今月後半以降、沖縄行きの航空便や宿泊の予約が増えていると紹介し、県内観光に回復の兆しがあると分析した。
ただ、新型コロナの影響で世界の観光人口が14・6億人から3・2億人に減少し「大きなダメージはこれからも続く」と指摘。入域観光客数が沖縄と同規模のハワイを例に挙げ、昨年と同じ1000万人に戻るには「5年は要する」と説明した。今後の沖縄観光については「量から質」を重視し、観光客1人あたりの消費額を上げるべきと強調した。
県も観光危機管理基金を準備し、今回のような危機に備え、産業保護ができる体制を構築すべきと提言した。
今後の水際対策として、観光客対策だけでなく、県外から戻る県民にも同等の対策を行うべきと強調。「観光業界で観光客の感染防止を徹底し、県や市町村、保健医療関係者が県民に向けたメッセージを同時に強く出す必要がある」と訴えた。
入国規制緩和対象地域の第一弾に台湾を入れない政府方針を疑問視し「沖縄と台湾の相互交流を(求め)、経済界から政府を動かし、先んじて地域間交流を進めるべき」と主張。同友会と連携し、取り組みたいと呼び掛けた。