大雨、市民生活を直撃 臨時休業の店も 石垣島

冠水した道路で立ち往生する車=8日、真栄里

 8日に石垣島を襲った観測史上最大の大雨は全島で被害をもたらし、市民生活を直撃した。雨が店内に入り込んで臨時休業する飲食店や冠水した道路で立ち往生する車。激しく降った時は通勤、通学時間帯に重なり、遅刻者が相次いだ。

 石垣市真栄里の飲食店「ふるさと食堂」は床上浸水し、臨時休業に追い込まれた。床をモップで拭いたり、泥水を外にかき出したりする作業に追われた。
 経営者の塩川順子さん(65)は「新型コロナウイルスで長く休業し、5月21日に営業再開したばかり。今度は雨で休業を余儀なくされ、泣きっ面にハチだ」と嘆く。
 真栄里は冠水の常襲地で一帯は一面「泥の海」。タイヤの隠れるほど水に浸かり、動けなくなったタクシーや一般車が見られた。市は道路を通行止めにし、職員が交通整理に当たった。
 雨は通勤、通学の足も直撃した。近くのホームセンター「メイクマン」は午前9時の出勤時刻に間に合った従業員は半分に満たなかったという。女性従業員(44)は2時間以上遅れたといい、「冠水と渋滞で車が全く動かなくなった」と話した。
 八重山高校も生徒の遅刻が続出した。特にバス通学や離島から船で来る生徒が影響を受けた。本来は遅刻者は校門でチェックするが、列をなして登校し、そのまま校舎内に入れた。
 バス会社「東運輸」の話では、宮良、白保の国道390号で冠水が目立ち、新石垣空港―バスターミナル線が最長30分の遅れが出た。

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