県マリンレジャー事業者団体連合会(会長・安谷屋正和八重山ダイビング協会会長)が10日午前、県庁で設立会見を開いた。沖縄マリンレジャーセイフティービューロー(OMSB)の認証制度を活用し、全ての事業者に救命処置などの講習受講を義務化。連合会に所属する各事業団体の判断で、悪徳業者の参加を拒否し業界の健全化を図る。
県内のマリンレジャー業界には、十分な救命処置の講習を受けていない事業者や、無資格でシュノーケル事業を営業している業者がおり、安全管理が問題視されていた。また、業界に関する明確なルールもないため、悪徳業者による就業も違法化できず、対策が急がれていた。
反社会的勢力のフロント企業や「半グレ」集団が参入し、近隣住民や観光客との間でトラブルも起こっているという。
連合会はOMSBのSDO認証制度を活用し、研修会や海域での救助訓練などの参加を事業者に義務付ける。OMSBが事業団体を認定。各地域の事業団体がガイドを推薦し悪徳業者と差別化、観光客が安心して沖縄のマリンレジャーを体験できる環境を整備する。
連合会の設立を前に、八重山や座間味、恩納村のダイビング協会は既に県議会に対し業界の健全化を陳情している。
無資格シュノーケル業者の資格取得の義務化や無店舗業者の根絶、届出制から許認可制への変更などを求めていた。今後、連合会では陳情を参考にした請願書を提出する予定で、観光客が安全・安心に利用できるマリンレジャーを目指し条例化も視野に入れる。
安谷屋氏は「モラルやマナーを守れる事業者を応援したい。お客様に安心して沖縄の海を体験してもらえるショップ作りを目指したい」と意気込んだ。
新型コロナウイルスの影響により、各業界は営業自粛を余儀なくされた。ただ、マリンレジャー業界は自粛の協力金支給を受けておらず、安谷屋氏は今回の連合会設立を機に「声を上げていきたい」と力を込めた。