尖閣改名で国民党〝攻勢〟  議案通過すれば上陸 台湾

 石垣市による尖閣諸島の字名変更案をきっかけに、台湾の野党・国民党が蔡英文総統と与党・民進党に〝攻勢〟をかけている。民進党はこれまで通り台湾の領土である立場を繰り返すのみだが、国民党は蔡英文政権を批判するとともに、日本に抗議することを要求。さらに国民党所属で尖閣諸島を管轄する宜蘭県の県議は同諸島へ向かい上陸して台湾の主権を示す考えを表明している。台湾の中央通訊(電子版)が伝えた。

 同市の字名変更案に対して、台湾で同諸島が地元とされる宜蘭県の動きが国民党勢力を中心に急だ。国民党所属で同県の林姿妙県長(知事)が主導して同諸島への上陸する姿勢をアピールし、同県議会は同諸島の台湾名である「釣魚台」を「頭城釣魚台」に変更する議案を可決している。民進党は平和的な方法で解決する姿勢を崩しておらず、与野党の受け止め方は大きく違う。
 国民党主席の江啓臣氏と前総統の馬英九氏はそれぞれ自身のフェイスブックで尖閣改名問題について表明している。江氏は蔡総統に同諸島への上陸を呼び掛け、馬氏は蔡政権について、日台友好を宣伝しているが、実際の関係は良くなっていないなどと批判している。
 一方、宜蘭県の県議は、石垣市議会で字名変更議案が22日に可決されたら、7月7日に尖閣諸島に上陸して台湾の領有権を主張するとしている。ただ、議案が通過しなかったり、採決されなかったりした場合は実施しないという。

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