改選後初の県議会6月定例会が30日開会し、初日は正副議長選が実施され、与党会派おきなわの赤嶺昇氏(53)=浦添市区=が議長、自民党の仲田弘毅氏(72)=うるま市区=が副議長に選出された。正副議長とも、少数野党の自民党などが推す候補が多数与党の候補を破る異例の展開になった。今後、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題などを巡る玉城デニー知事の県政運営に影響を与える可能性がある。
赤嶺氏には自民19人、公明2人、無所属の会2人、おきなわ3人が投票し、26票を獲得。与党の沖縄・平和、日本共産党、てぃーだネットの3会派は崎山嗣幸氏(72)=那覇市・南部離島区=を推したが、22票にとどまった。
副議長選挙では仲田氏が24票を獲得し、与党3会派が推す共産の渡久地修氏(67)=那覇市・南部離島区=を破った。渡久地氏は22票。無効票は2票だった。25人の与党から1人が仲田氏に投票したとみられる。
議長選出後、赤嶺氏は取材に対し、「新型コロナウイルス感染症や基地問題など、県内には課題がある。県民視点に立つ議会運営が求められる」と強調した。
議長就任に至った経緯については「会派で昨日(6月29日)の夜に議長人事について初めて話し合い、統一した行動を取った」と説明。他の与党3会派には、事前に議長人事には加わらないと伝えていたことを明かし「4会派の信頼関係は、今はない」と明言した。
県議会の勢力は与党25議席、野党23議席と伯仲している。