あるネット番組で習近平チャイナを「ジャイアニズム」と称していた。長寿番組「ドラえもん」に登場するジャイアンにちなむ。悪名高い彼は「お前の物は俺の物、俺の物は俺の物」という理不尽さで知られる◆チャイナは「お前の物は俺の物」とばかりに先の大戦直後、チベットを侵略。中印・中ソ国境紛争、中越戦争を経て、南シナ海の軍事拠点化を進める。止まらぬ対外侵攻は大陸史では常だ。残すは東。台湾、琉球である◆さしずめ、日本はのび太で米国がドラえもんか。のび太が泣きつけば、ひみつ道具でドラえもんが助ける。ただこの物語に例えるのは、彼らに失礼だろう◆ドラえもんはのび太の成長を見守る。一方米国は覇権の地位を脅かし始めたチャイナに今やドナルドという切り札を出したが、日本を強くさせないよう「力を貸すよ」とささやき続けてきた国である◆のび太はいざという時、仲間のため勇敢に立ち上がる。一方日本は心身ともに憲法でガンジガラメにされ、北朝鮮に拉致された自国民でさえ取り返せない。いわんや領土をや◆何よりジャイアンは、のび太がなくしたランドセルを我が事のように一緒に探してあげるような優しさを、時折見せる。「お前の物は俺の物」を地で行く習氏はその優しさをさえ、嘲笑するだろう。 (S)