全国的に新型コロナウイルスの感染が再び拡大する中、4連休や「Go To トラベル」が開始されることから、竹富町の離島では観光客の増加が予想されている。観光業者らは「例年と比べると客数は少ないが、やっと営業再開できた。医療環境が整わない離島なので、コロナ対策をしっかりとしていきたい」と緊張感を高めている。
竹富島ではコロナ禍でこれまで、観光客の姿がほぼ皆無だったが、7月1日から定期航路が増便になり、徐々に客足が戻る傾向があるようだ。水牛車やレンタルサイクル、民宿や食堂などの一部が、感染症対策をしながら営業再開をはじめた。竹富港の送迎バス乗り場には、感染症対策を呼び掛ける看板が設置された。
観光ガイドをつとめる70代の男性は「持病があるので細心の注意をしている。お客さんにもマスク着用や手指消毒など対策をお願いしている」と協力を呼び掛けた。しかし感染者流入への不安が払拭されず、臨時休業を続けている店や、いったん営業を再開したものの再び休業したり、再度の自粛を検討しているところもある。
飲食店の男性は「テイクアウトの容器のポイ捨てがあったので、感染防止のために店を閉めた。経営的には大変」と不安を口にした。土産店の男性は「マスク着用をお願いしても、守ってもらえないことがあったので店舗販売は諦め、ネット販売のみにした。売り上げは大きく減った」とやりきれない様子。
再度の自粛休業を検討しているという民宿経営者の男性は「アットホームが売りの民宿では、濃厚接触をなくすのは大変。旅行会社との提携もないので、Go Toの恩恵も感じない」となげいた。
また観光客の増加にともない、定期船の混雑やゴミの増加を指摘する住民の声も聞かれる。特に道路にマスクや飲み残しのペットボトルなどが捨てられていることがあり、感染症対策はもちろん、しっかりとマナーを守りながら離島の旅を楽しんでほしい。
(隅田賢通信員)