竹富町の西表島に生息する国天然記念物、イリオモテヤマネコの交通事故死ゼロが連続260日を超えたことが分かった。過去5年間で最長で、環境省西表自然保護官事務所は新型コロナウイルス感染症による旅行者減で島内の交通量が減ったのが一因と見ている。
事務所によると、イリオモテヤマネコが車に引かれて死亡する事故は昨年11月3日に起きてから未発生で事故死ゼロは24日時点で連続262日に達した。
過去5年間で交通死ゼロの最長記録は2016年12月から17年7月にかけての223日で3年ぶりに更新した。
事務所は感染症で4~6月に来島者が著しく減ってレンタカーの通行量が減少したのが理由の1つと見ている。
ヤマネコは16~19年、毎年2~7匹が車に引かれて死亡している。死因の中で最も多く、予防策が課題になっている。
竹中康進自然保護官は「6月に来島者の受け入れが解禁され、交通量の増加に伴って事故に巻き込まれるリスクが増す。特に道に不案内な旅行者は安全運転を心掛けてほしい」と注意を呼び掛けている。