石垣市で30日、1日の新規感染者としては過去最多となる6人の感染が確認され、市民に衝撃が走った。窮地に立つ観光業者からは、4月ごろの「第1波」に次ぐ「第2波が到来したのでは」との声も。八重山は多くの離島を抱えており、感染者が続出すれば、観光地としてのイメージダウンだけではなく、医療機関の逼迫(ひっぱく)も現実味を帯びる。観光立市を掲げる島は、感染拡大防止へ正念場を迎えつつある。
石垣市の飲食店オーナーの30代男性は「またかという感じ。GoToキャンペーンもあったし、感染者が出てくる可能性はあると思っていた」とため息。「店ではきょう(30日)から観光客や新規客の入店を断る措置を取りたい」と話した。
感染者が出た場合の店名の公表については「出てしまった以上公表することは仕方ないこと。そうならないよう、店舗としてもできる努力をしなくてはいけない」と話した。
八重山ダイビング協会の安谷屋正和会長は「第2波と言っていいと思う。(福井県で感染した)6人と別に6人出たというのは、これだけで終わるはずない。驚きと同時にあ然としている」と嘆く。
今後については「これだけ出てくると、緊急事態宣言が出た場合のことも考えないといけない。協会としても理事会を開いて検討しなくてはならない。状況を見て冷静に対応したい」と声を落とした。
石垣市の会社経営の50代男性は「観光客の流入がある以上、感染者が出てもおかしくないと思った。手洗い、マスクだけで安心せず、不用意なことは避け、体調管理、食生活を考えながら、感染リスクを回避しないといけない」と強調。「気にしすぎるとストレスになり、逆に免疫力が下がってしまうので、ウィルス自体存在するものとして、自分がかからないようにしていくしかない」と自らに言い聞かせた。
八重山地区医師会の上原秀政会長は「観光客が増えてきたので感染者が出ることは予想していたが、一度に6人は多い」と驚く。「これから、どんどん増えてくる。医療が追いつくかが心配だ」と話す。
県立八重山病院の感染症用病床は9床。6人の感染者が出たことで、半分以上が埋まることになる。八重山病院が満床になった場合は民間の医療機関に協力を依頼したり、軽症者が療養するためのホテルを確保することになると見られる。
ただ、感染者が予想を上回るペースで急増した安倍の対応は見通せない。
上原氏は「重症者の数はそれほど多くなく、8割以上が軽傷。パニックを起こさず、冷静に対応するべきだ」と求めた。