現在、数人しか存在しない八重山出身のパイロットの1人で、ANAウイングス㈱の現役機長、東盛和市さん=愛知県半田市在=(55)が7日、FMいしがきサンサンラジオの番組「空色カフェ」収録のため石垣市内にある同スタジオを訪れ、パイロットになった経緯や仕事のやりがい、次世代へのメッセージを語った。
東盛さんは市大川出身。八重山高校卒業後、空への憧れから航空自衛隊、沖縄の航空会社エアードルフィンを経て、41歳でエアーセントラル(現・ANAウイングス)に入社した。
現在は短中距離のフライトではジェット機に匹敵するスピードで飛ぶ「ボンバルディアDHC8―Q400」の機長として、北は北海道稚内から南は鹿児島まで、愛知県常滑市にある中部国際空港をベースに「空の生活路線」をつないでいる。
「空色カフェ」は空の仕事内容や魅力を紹介する、6月から始まった同ラジオの新コーナー。東盛さんは収録のために休日を取り、ボランティアで出演を引き受けた。
収録に当たり「18歳で島を出て、島の行事など、同級生の手伝いを何もできずに今まで来た。少しでも島のために恩返しがしたくて」と笑顔で話した。
番組に協力しているANA石垣支店の宮脇秀至支店長は「番組はFMいしがきさんと協力し、島の人たちに空の仕事に興味を持ってもらい、就職も含め一緒に仕事をしたいという気持ちでやっている」と話した。
空色カフェは毎週土曜日午前11時52分から正午までの7分間で、収録内容は9月5、12、19、26日の4日間に分けて放送される予定。