石垣字会(森永用朗会長)は9日午前、宮鳥御嶽で豊年祭オンプールを開催し、今年の豊年に感謝する「フバナアギ」と来年の豊作祈願の「エンニガイ」を行なった。またコロナ禍を転じようと、旗頭は例年より2旒(りゅう)多い4旒を奉納。「コロナ邪気払い」の意味を込めて獅子舞を力強く奉納し、字民の無病息災を願った。
獅子舞は、新型コロナの影響で練習に困難を来した。そこで最低限の奉納の動きに集約させ、大地を力強く踏みならし、獅子の口でコロナ禍をつかむような動きを意識することで、「コロナ邪気払い」の意味を込めた。
獅子舞の責任者を務めた岡山創(はじめ)さん(44)は「スースー(獅子)は霊験あらたかで、見えないご加護がある。改めて獅子舞の本来のあり方を見直す機会になった。自分たちに何ができるかを考え、村民や島民、広くは日本、世界のためにとの思いで行なった」と振り返った。
旗頭奉納は①扇子②みょうら③光④松竹梅―の4旒。扇子には虎、みょうらには龍の絵が旗文字としてあしらわれ、字民の無病息災を祈願した。
森永会長は「旗頭会からコロナ禍の中でも旗頭を出したいという意気込みを強く感じ、4旒奉納した」と話し、「検温や消毒など万全の対策を講じ、無事奉納できてほっとしている。来年はコロナが終息していると思うので、延期した結願祭を立派に挙行できるようにしたい」と意気込んだ。
このほか、字の功労者表彰として石垣三夫さん、﨑枝純夫さん、石垣英昌さん、村田正憲さんに感謝状を贈呈。
ミシャグパーシィの儀式、参列者らによるカンヌグシ(神酒)拝受、石垣小児童による稲穂の奉納、農事奨励褒賞表彰もあった。