新型コロナウイルスで売り上げが減少した地元店舗を支援しようと、石垣市は11日、全市民を対象に、島内だけで使用できるプレミアム付き商品券を発行する、と発表した。1人1万円で1万5000円の商品券を購入でき、上乗せ分の5000円は、地元店舗だけで使用可能とする仕組み。12日開会する臨時議会に関連予算案を上程し、可決されれば10月にも商品券の販売が始まる。中山義隆市長は「落ち込んでいる市民の消費を増やし、観光客が減少している飲食店やみやげ物店などの売り上げ増につなげたい」と述べ、島の〝内需拡大〟に期待した。
商品券は、地元企業でのみ使用可能な「応援業種等商品券」(5000円分)と、地元店舗、大型店のいずれでも使用可能な「共通店型商品券」(1万円分)の2種類からなり、1万円で購入できる。
「応援業種等商品券」を使える地元店舗は、飲食店、小売業、観光業など幅広い業種で今後募集する。商品券は登録された店舗でのみ使用可能とし、業種の範囲は今後詰める。
市は、住民基本台帳に記載された全世帯に商品券を購入する際に必要な引き換え書面を郵送。受け取った市民は、販売店に引き換え書面と身分証を持参し、世帯人数分の商品券を購入できる。商品券の使用期限は来年3月末。
市は今後、大型店や金融機関などを販売店とする方向で調整する。
市が市民に現金を給付しても貯蓄に回ると消費を刺激できないため、商品券を発行し、島内で確実に消費してもらうことを狙う。地元企業だけで使用可能な商品券に加え、市民の日常的な需要が高い大型店でも使用可能な商品券と組み合わせることで、市民の購入意欲向上を図る。
市の人口は約5万人。市は全員が1万5000円消費すれば、7億5000万円の経済効果があると強調する。
小切間元樹企画部長は「ふだん島民の利用が少ない地元のマリンレジャーやエコツアーなども、島民向けの魅力的なコンテンツを考えてほしい」と要望した。。
商品券の事業費約2億7000万円を盛り込んだ一般会計補正予算案は12日開会する臨時議会に上程され、総務財政委員会に付託される見通し。本会議での採決は13日の予定。