一般社団法人「日本ライオンズ」(本部東京)は識名安信理事長(65)=石垣市=の再任を決めた。トップ続投は歴代初。組織改革に取り組んだ手腕が評価された。
再任は4日に名古屋市で開かれた本年度の社員総会で承認された。任期は来年7月まで1年間。
日本ライオンズは全国8つの複合地区ガバナー協議会が統合して2016年に発足し、識名氏は19年7月に県出身者で初の理事長に就いた。
識名氏は協議会統合のほか、災害支援の指揮系統を一本化するアラート委員会の新設など組織改革に取り組んだ。新型コロナウイルス感染の広がる非常事態の中、リーダシップと実行力が評価され、再任に推された。
トップの続投は日本にライオンズクラブが組織された1952年以降、歴代初。前身の協議会の議長を含めても他に例がない。
識名氏は石垣市生まれ。95年に八重山ライオンズクラブに入会し、九州・沖縄地区の337複合地区ガバナー協議会議長。新川の建設会社「信用組」社長を務める。
識名氏は2期目では災害支援と青少年育成に力を入れる方針を明らかにした。災害支援では「7月の九州豪雨の被災地を視察し、コロナでボランティアが入れずに復興の遅れる現状を目の当たりにした。コロナ禍ではマンパワーを生かすライオンズの従来の支援が十分機能しないことを痛感し、支援の在り方を見直す」と語った。
青少年育成では「国家百年の大計に当たる教育の機会がコロナで失われてはならない。こども食堂や奨学金制度を通じ、経済的弱者の視線に立って支援に力を注ぐ」と述べた。