石垣市大川の肉卸問屋「美崎牛本店」(美崎信二代表取締役社長)の宅配サービスが好調だ。同店自慢の美崎牛が配送料無料で、島内は電話1本で自宅まで配達し、竹富町・与那国町へは船積みまで対応している。
サービス開始から平日は平均20件、週末は40件の注文を超す日もあるという。特に離島は安定して5~6件の注文が入り、しかも大量に注文を受けることも多い。特に外に出ることに不安を抱える高齢者世帯や小さい子どもがいる家族などに喜ばれているという。
メニューでは定番のロースやカルビ、スライス肉などが好調で、牛汁用の肉や中身も珍しいと評判になり、多くの注文が入っている。
市内在住の玉城保吉さん(81)=登野城=は「後期高齢者なので電話一本で持ってきてくれるのは非常に助かる。肉の味も非常に素晴らしく、孫の誕生日会などで焼き肉やハンバーグで家族団らんのひと時を楽しく過ごせている」とサービスに太鼓判を押す。
宮良でペンションを経営している池間真理子さんは「美崎牛はボリュームもありおいしくて大満足。ペンションのお客様や家族にも好評で、広告や動画などを見て現物もわかりやすいのも良い」と高評価。宅配サービスについては「宮良で遠いのもあるが届けてくれて100%満足している」と喜ぶ。
美崎牛本店はコロナ禍を受け、これまで弁当販売などの業態変更、タクシー運転手やコロナ相談外来の医療従事者への弁当無償配布、教育委員会へのマスク寄贈、学校給食へ美崎牛の提供、与那国町での牛汁無償配布、インターネットライブ販売など、その時々に応じた支援策や業態変更に対応し、地域に貢献をしながらコロナ禍の苦境を島全体で乗り越えようと知恵と工夫をこらしている。
美崎社長は「島を元気にしたい」と口々に語る。「安心安全の新しいモデルを模索し、お客様の求めるサービスを展開していきたい」と意気込む。
宅配サービスの利用については「少しだからと遠慮しがちかもしれないが、新しいサービスの形なので、一品からでも遠慮せずに注文してほしい」と呼び掛けている。
宅配サービスは8月31日までとしているが、リクエストも多く期間の延長も視野に入れているという。