県は25日、今年7月の入域観光客数は27万7300人で、対前年同月比でマイナス68万6300人、率にして71・2%減少したと発表した。7月としては、減少数・減少率とも過去最大。県は新型コロナウイルス感染症の拡大で、観光需要が落ち込んだと見ている。
6月と比較し、7月の観光客数は3連休や国の観光支援策「GoToトラベル」の効果で持ち直したが限定的で、県は8月以降も新型コロナの影響は続くと分析。複数の航空会社が県に提示した資料を総合すると、国内空路の8月搭乗予約数は、今年7月下旬で前年同月比41%だったが、8月中旬では27%程度に下落。約13%も低下しており、県は7月末に出した緊急事態宣言の影響でキャンセル数が拡大したと見ている。
7月の国内線は1310便減便し、率にして30・1%減少。8月は1路線が復便したものの、減便数は557便で率にして12・7%の減となった。
文化観光スポーツ部の渡久地一浩部長は入域観光客数について、「6月と7月に回復基調に転じたが、県の緊急事態宣言の影響で再び厳しい状況になった」と話した。新型コロナウイルス感染症の拡大で、県内の観光需要が落ち込んだと分析し、感染拡大の防止と観光振興の両立を図ると強調した。
県内を訪れる観光客の約半数が関東圏在住であるため、東京都が「GoToトラベル」の対象外になったことで入域観光客数に影響が出たかとの問いに、渡久地氏は「東京方面からだけで国内客の約48%を占める。除外された影響は大きいと考える」と述べた。