議会運営委員会(議運)は、議会の会期や議案の付託先などを審議する。議案そのものを審議し、否決する権限はない。だが25日、石垣市議会の議運で異変が起こった◆市が提案したプレミアム付き商品券事業の予算案に異論が相次ぎ、議案の審議が始まってしまった。これを見た仲間均委員長は、予算案を臨時議会に上程するかどうか諮り、賛成少数で否決された◆本来は議運で決められないことを決めてしまったのだ。そのため臨時議会が開会できず、前代未聞の流会という事態に至った◆予算案の上程を諮った仲間委員長の判断は「権限外」だったようだ。だが臨時議会がそのまま開会していれば、どうなっただろう。予算案が賛成少数で否決されるのは必至の情勢だった。本会議で否決された予算案を市長が専決処分することはできず、商品券事業はそのまま葬られていた可能性が高い。臨時議会が流会になったことが結果として幸いし、中山義隆市長は28日、予算を専決処分できた◆仲間委員長は議員歴20年余。多くの修羅場をくぐってきた。議運では予算案に異論が続出するギリギリの状況の中、とっさの政治的な勘が働いたのだろう。廃案寸前だった商品券事業を救ったのは、大ベテランの〝絶妙〟な采配(さいはい)だった。(N)