2010年9月7日に石垣市の尖閣諸島沖で発生した中国漁船の巡視船衝突事件について、産経新聞は8日、当時の菅直人首相が中国人船長の釈放を指示したとの証言を報じた。菅義偉官房長官は8日の記者会見で、逮捕した船長を釈放した経緯や説明に関し「当時の政府による『国内法にのっとった対応である』との説明について強い違和感を持ったことは事実だ。事実関係(の調査)というのは対応していきたい」と述べた。
産経新聞の報道によると、菅首相は同年9月22日、外務省幹部らが同席した勉強会で「釈放しろ」と指示した。前原誠司元外相が証言した。
菅首相は、中国人船長を釈放しない場合、当時予定されていた胡錦濤(こ・きんとう)国家主席来日に影響が出ることを懸念したという。船長は同25日に釈放され、石垣空港から特別機で帰国した。
菅首相は10年9月、釈放理由に関し「検察当局が国内法に基づき粛々と判断した」と説明していた。