【金波銀波】「たいくつな想いをしている人がいたら…」

 「たいくつな想いをしている人がいたら…」。実体験から生まれた、真理を突く素直な言葉である◆先月31日、本紙は小中学生対象の新企画「みんなのさくぶん」を始めた。第1回で掲載したのは宮良小の6年生が書いた「楽しい時間」である。日常に退屈していた少年がハンドボールと出会い、生きる姿勢を変えた◆実は、同じことが2500年前にもある。「博奕(はくえき)なる者あらずや。これを為すは猶(な)お已(や)むに賢(まさ)れり」(論語陽貨篇)。心を動かさずに一日を過ごしている弟子がいた。孔子は独り呟く。なぜ賭け事をしないのだろう。その方が何もしないでいるよりずっといいのに―。心をわくわくさせるような何かを見つけることも、学びの一つである◆「もし、以前のぼくのように、たいくつな想いをしている人がいたら、どんなスポーツでもいいから、チャレンジしてみて下さい。きっと、楽しい時間が過ごせるようになるはずです」。少年は孔子と同じように、学ぶ楽しさとよろこびを、知る人である◆少年はどこまで自分を育てていくのだろうか。まだ入口に立ったばかりである。学びには、底がない。学びが深まるほどに、学ぶ楽しみとよろこびもまた、深まり続ける。 (S)

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