竹富町は町立竹富、黒島両診療所に新型コロナウイルス感染の疑いのある町民を診察する専門外来を付設する。事業費7600万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を15日開会の町議会9月定例会に出した。
町によると、専門外来は両診療所の敷地内にコンテナ式の仮設外来を設ける。簡易な医療、検査機器を備え、医師の診断を受ける。将来的にはPCR検査設備を設けたい考えだ。
診療所の建物と離し、一般患者との混在を避け、院内感染を防ぐ。医師、看護師への感染も回避する。年度内の診療開始を目指す。
両島では島民が発熱や味覚障害などの症状を覚えても、現状では診療所の医師が電話で問診するのが限界で、感染の疑いがあると診断されても石垣島の県立八重山病院か石垣市のコロナ外来に出向いて検査を受けざるを得ない。
検査結果の出るまで2~3日間、町の借り上げた石垣市内のホテルでの待機を強いられ、負担も重い。石垣島までの移動は定期船に乗り、一般乗客の不安も無視できなくなっている。
西表など県の診療所のある島は従来通り石垣島で受検する。
町健康づくり課は「島内で診察が受けられ、当人だけでなく、他の島民の不安、負担を軽減できる」と話している。