石垣市の中山義隆市長は17日の市議会一般質問で、尖閣諸島に灯台や無線中継施設などを整備することに関し「動きを加速したい」と述べた。市議会は18日の最終本会議で、尖閣諸島への上陸や施設整備を求める決議を可決する見通しで、実効支配の強化を国に求める方向で市長と議会が足並みをそろえる。
一般質問で仲間氏は、尖閣諸島での施設整備について「行政区の首長がやることだ。首長を先頭に、議員全員で現地調査すべきだ」と、市が主体的に取り組むよう求めた。
中山市長によると、市は2010年にも国に上陸の許可を要請したが、当時、島を所有していた民間人の了解が得られないとの回答を受けた。
しかし2012年、魚釣島、南小島、北小島は国有化された。国有化を契機に、周辺海域では中国政府が公船を常駐させるなど攻勢を強めており、尖閣諸島を巡る情勢は10年前とは大きく変化している。
中山市長は「尖閣諸島をしっかりと実効支配し、周辺で漁をする皆さんが安心して操業できるようにするため、灯台設置、気象・海象観測装置が必要だ、無線中継局があれば、さらに安全性は高まる」と期待。「今は国有化されているので、石垣市が造っていいという許可が下りるなら、手立てを講じて設置する方向で進めるべきだ」と指摘した。
首相が交代したことにも触れ「恐らく総選挙になると思うが、総選挙の際も(施設整備を)自民党の公約に挙げていただき、政府の公約として出していただく体制を取ってほしい」と要望した。
砥板芳行氏は尖閣諸島資料館の整備を要望。
中山市長は「150万人近い国内外の観光客に(資料館を)見てもらうことで、日本の領土であることをアピールできる。子どもたちにしっかり学んでもらうことも必要。ぜひ整備に向けて取り組んでいきたい」と強調した。
東京都の領土・主権展示会で開催されている「尖閣諸島と日本人」展の移動展について小切間元樹企画部長は「非常に関心がある。内閣官房とも調整し、市で開催できるよう積極的に取り組む」と述べた。