竹富町は町内の西表島東部と西部、小浜島、波照間島にある計4カ所の県立八重山病院付属診療所に新型コロナウイルスの専用外来を設けるよう県に要請した。竹富島と黒島に構える計2カ所の町立診療所にはコロナ外来を設置する方針を既に打ち出し、全町的に島内診察のできる体制づくりを目指す。
23日の町議会9月定例会で町健康づくり課の上野エミ課長が三盛克美、山下義雄両議員の質問に「県の協力を得て全町規模で島内受診できる体制を構築したい」と答弁した。
町は2島の町診療所にコロナ外来を設ける議案を議会に出している。町方式を先行実施して実績をつくり、県診療所も倣うよう促す。
町方式は2診療所の敷地に別棟でコンテナハウスのコロナ外来を設け、診療所の医師と看護師が検体採取と診察を行う。島内受診を可能とし、島内で感染の疑いが分かっても石垣島に出向いて受検しなければならない島民の負担軽減を図る。
先端の換気システムを取り入れ、診療所の医療従事者や他の一般患者への感染を防ぐ。移動式で太陽光の自家発電装置を備え、独立した医療施設として災害時も使えるようにする。
コンテナハウスは1棟2900万円。議員から「高すぎる」という指摘があり、上野課長は「場合によっては見積もりを見直す」と述べた。
県診療所は島民に感染の疑いが出ても医師らへの感染リスクを避けたいと島内受診に応じず、島内受診が可能になる町診療所との対応の違いが明確化する。7~8月に西表島西部で18人の集団感染が起き、県診療所でも島内受診できる体制を望む声が町民から上がっている。