萩生田光一文部科学相は9月30日午後、恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)を視察し、ピーター・グルース学長や教授、若手研究員と会談した。文部科学相による同大視察は初めて。
萩生田氏と若手研究者との懇談には日本人研究員の男女4人も参加。女性研究員からは働きやすい研究環境を求める声があったという。萩生田氏は若手研究員を10年間継続支援するプログラムを説明。女性研究員にも育児休暇が取りやすい仕組みを紹介した。
また、2008年のリーマン・ショック後は教育研究予算が大幅減額され、結果的に日本のスーパーコンピューターの開発が遅れたと批判。新型コロナウイルス感染症が蔓延する現状との類似点を指摘し「厳しい時こそ人や研究への支援が必要」と語った。
懇談後、サンゴなどの海洋生物のゲノム研究を行う佐藤矩行教授の研究室を訪問。佐藤教授は、オーストラリアのバリアリーフでオニヒトデによるサンゴ捕食被害が深刻化していることを挙げ、オニヒトデの幼生がフィジーやバヌアツの海域で発生し、沖縄にも流れてきていると説明した。恩納村沖で進めている人工サンゴの移植にも期待した。
萩生田氏はこの日午前、石垣市の登野城小学校を訪れ、授業を視察した。