5日、横田めぐみさん=拉致当時13歳=が56歳を迎えた。憲法改正が急がれる◆「憲法のお陰で戦争がない」と言う人が未だにいる。日米同盟や集団的自衛権による戦争抑止効果などを無視した発言であることは、論を俟たない。が、そも「戦争」はなかったのか。戦争は何も武力、軍隊同士の衝突だけではない◆「戦争」を、主権国家による他国家・他国民への生命・財産等への侵害行為と定義すれば、北朝鮮による日本人拉致は戦争である。北朝鮮も国連加盟国であり、金正日総書記はすでに国家ぐるみでの拉致を認めた。日本人拉致は国内外で被った戦争行為である◆島根県竹島が韓国に不法に占拠され、66年が経つ。国民の財産が武力により占拠されたままだ。国土が奪われた戦争から目を背け、見て見ぬ振りをする。長い間、拉致事件を見て見ぬ振りしてきた姿勢と同じである。生命・自由・幸福追求を保障すると定める最高法規が、聞いて呆れる◆現憲法では「自衛」と認めぬ人がいる。改憲により法制を変え、自衛隊が取り返しに行ける準備が可能となれば、北朝鮮の出方が変わる可能性は上がる。戦争を嗾(けしか)けているのではない。いや、「戦争」の定義に基づけば、同胞と財産を取り返すという当たり前の希求である。(S)