財政難で閉鎖が取り沙汰される国立天文台VERA石垣島観測局の存続を文部科学省に直訴しようと、石垣市商工会青年部(吉田大介部長)、同青少年育成委員会(大浜俊委員長)が市民への署名活動を開始した。市役所など4カ所に署名台を設置するほか、店舗での署名呼び掛けも行う。吉田部長は「VERAは観光資源でもあり、高校生が天文学に関心を持つ入口にもなっている。存続を求める多くの声を届けたい」と訴えた。目標は1万5千筆。
石垣島観測局では、高校生が天文観測を体験する「美ら星天文研究体験隊」が実施されており、参加した高校生が地元3高校で存続を求める署名活動を展開している。市商工会青年部は「傍観者ではいられない。高校生は市民に声を上げづらいので、自分たちが代弁者になりたい」(西表淳副部長)と協力を決めた。
市役所では13日からロビーに署名台が設置された。今後、市立図書館、結い心センター、健康福祉センターにも署名台を設置する。
18日、25日、11月1日にはメイクマン石垣店でも署名を呼び掛ける。今月31日には天文台関係者を講師に招き、オンライン講演会開催を予定している。署名活動は11月上旬まで続く。
VERA観測局は国内に石垣島局など4カ所あり、各地でそれぞれ存続を求める署名活動が行われている。市商工会青年部や高校生が集めた署名は、これらの署名と合わせ、11月16日、文科省に届けられる予定という。
萩生田光一文科相は9月29日、石垣観測局を視察し、面会した高校生に対し「最南端のこの施設が、さらに大きな役割を果たせるよう、文科省としてもしっかりサポートしたい」と、存続に前向きな姿勢を示していた。