県は21日、石垣市で、かりゆし病院の入院患者1人、職員2人、関連施設の介護老人保健施設「聖紫花の杜」入所者1人の計4人が新たに新型コロナウイルスに感染した、と発表した。八重山地区の感染者数は計98人、かりゆし病院や、聖紫花の杜関係者の感染者数は計37人に拡大した。
新たに感染が判明したのは、かりゆし病院入院患者の80代女性、職員の20代と50代男性、聖紫花の杜入所者の80代男性。かりゆし病院の入院患者は県立八重山病院に入院した。聖紫花の杜の入所者も八重山病院に入院予定。いずれも重症ではないという。かりゆし病院関係の感染者数は入院患者24人、職員11人、聖紫花の杜入所者2人になった。
八重山病院の新型コロナ患者数は22人になり、感染症用病床数(21床)を超える。県は増床で対応する方針。病床数の逼迫(ひっぱく)が深刻化しているが、県は「今のところ沖縄本島への移送には至っていない」として、現時点では地元で対応可能との認識を示した。
感染が判明したかりゆし病院の職員2人は宿泊療養施設のホテルに入所し、同施設の入所者数は10人になった。かりゆし病院には新型コロナの患者5人が入院している。
現在、国立感染症研究所のクラスター対策の専門家が石垣入りし、関係者から聞き取りなどを行っている。県によると、かりゆし病院のクラスター(感染者集団)について「ウイルスは9月後半ごろに持ち込まれたと見られるが、確証はない」との見方を示している。
現時点では、かりゆし病院関係者以外の感染者は出ておらず、市中感染は確認されていない。県、市は引き続き警戒を続ける。
行政検査は19日103件、20日80件、21日86件実施された。21日の検査には、以前検査を受けた人の再検査も含まれているという。結果は22日以降に判明する。