少年時代の戦争体験を自筆の絵などで紹介した著書「絵が語る八重山の戦争」を出版した石垣市の潮平正道さん(87)=石垣=が21日、市教育委員会を訪れ、3市町の全公立小中校に著書を贈呈した。また、潮平さんと同郷で元産経新聞顧問の桃原用昇さん(78)=東京都=からは市議会の全議員や市内の全41公民館に同書が渡された。
贈呈式で潮平さんは「20数年間、6月の平和月間に各学校で戦争体験を語っているが、特に低学年の子どもたちに理解してもらうには、見聞きしたことを絵に描いたほうがいいと考えた」と出版の動機を説明。
桃原さんは出席できなかったが「戦争の悲劇を風化させないよう、歴史の語り部として地域の子どもたちや大人にも広めていただきたい」「市議の皆さんには、地域の歴史を知ってもらい、未来の平和に貢献していただきたい」というメッセージが読み上げられた。
石垣安志教育長、市自治公民館連絡協議会の金城文雄会長、市議会の平良秀之議長が同書を受け取り「戦争の語り部が少なくなる中、思いを風化させないよう頑張りたい」(金城会長)などと感謝した。
同書が贈呈されたのは小中学校に25冊、公民館に41冊、市議会に22冊。竹富町、与那国町の学校や県立高校には贈呈済みとなっている。