石垣市は、市民税非課税世帯の75歳以上で、交通手段を持たない市民に対し、タクシー運賃の初乗り分470円を助成する「高齢者おでかけタクシーチケット」を11月1日から発行する。28日、中山義隆市長が記者会見して発表し、高齢者に対し「通院や買い物などに利用し、外出の機会を増やしてほしい」と呼び掛けた。
チケットの給付対象者は、非課税世帯の75歳以上で、市介護長寿課によると該当者は約860人。車を持っていないこと、近隣に親族が送迎できる環境がないことが条件になる。
市役所介護長寿課でチケット発行を申請し、決定すれば自宅にチケットが郵送される。タクシー乗車時、チケットを有効期限内に使えば、初乗り料金が無料になる。
助成額は初乗り料金だけで、それ以上の運賃は自己負担。ただチケットは複数枚をまとめて使用でき、その分だけ料金が安くなる。お釣りは出ない。基本的に本人のみ利用可能。
1人当たり1カ月に2枚の使用を想定しており、申請に応じ、今年度は来年3月末までの10枚を給付する。
タクシー会社は、受け取ったチケットをもとに、翌月10日、同課に運賃相当分を請求する。今年度の事業費は約500万円で、税源にはふるさと納税を活用する。
記者会見で県ハイヤー・タクシー協会八重山支部の伊良皆高司支部長は「タクシー業界としてもうれしい。高齢者には活発に外出してもらい、石垣市を盛り上げてほしい」と期待した。