沖縄戦の悲惨さや歴史的教訓を後世に語り継ぐ「語り部(かたりべ)」に贈られる感謝状表彰伝達式が28日午後、石垣市役所で行われ、佐久川勲さん(81)、潮平正道さん(87)2人が受賞した。表彰は戦後75年の節目として県が初めて企画したもので、中山義隆市長が2人に感謝状を手渡した。
八重山戦争マラリア遺族会会長の佐久川さんは「遺族会の高齢化が進む中、過去を正しく人々に語り継ぐことは、残された者の使命だ」と力強く話した。
八重山戦争を語り継ぐ会会長の潮平さんは、毎年6月の平和月間に市内小・中学校などで行われる平和学習で体験談を語っている。「戦争マラリアという言葉さえ知らない子どもたちがいる。その時代を生きた者の言葉だけでなく、絵画や映像を通した『追体験』が必要である」と訴えた。
中山義隆市長は、功労者の長年の教育尽力に感謝の言葉を述べた。
感謝状は活動歴10年以上等を基準に、沖縄県内の各市町村で推薦された功労者に贈られ、県内で118人が選ばれている。