5日の「世界津波の日」に合わせ、石垣市、竹富町は津波襲来を想定した職員の避難訓練を実施し、両市町の職員約100人が参加した。
石垣市役所と竹富町役場は現在、津波浸水想定区域にある。市役所は高台の旧石垣空港跡地に移転する予定で、現庁舎で最後の避難訓練となる。
午前9時45分、震度6弱の地震が発生したと想定。庁内放送や職員向けの防災情報一斉メールの通知を受け、職員はかがんで机の下に入り、揺れが収まるのを待つ態勢を取った。
10分後に大津波警報が発表された。職員は庁内放送に促され、一時避難場所である石垣小学校へ徒歩で向かった。
石垣小では児童約370人も訓練に参加し、避難してきた職員と屋上で合流した。
屋上には県行政ネットワーク無線や消防無線などの通信機器を設置。北部地区が孤立化したと想定し、中山義隆市長や石垣安志教育長が県、消防署の出張所、北部地区の平久保小学校と連絡を取り合った。
昨年の大規模通信障害では電話などが不通になったが、消防無線は使用可能だったという。
訓練はスムーズに進行し、総括した中山市長は「まずは職員が自分の命を守り、次の行動に移ることが市全体の防災力を高める」と強調した。
職員の1人は「思ったより早く避難場所に移動できた。日ごろ来る機会がないので、いい経験になった」と話した。