【金波銀波】河野太郎行政改革担当相がツイッターに「押印廃止」と…

 河野太郎行政改革担当相がツイッターに「押印廃止」と彫られたはんこの写真を掲載した。婚姻届や離婚届のように、従来の常識では押印が当然視される書類でさえ、押印廃止の流れが進む◆菅内閣はインターネット申請の推進など「デジタル化」を積極的に進める。押印廃止もその流れの一環で、庶民とすれば、複雑な申請手続きが簡素化されるのは大歓迎だ◆だが「押印廃止」のように単純化されたスローガンは、時に危険をはらむ。はんこの生産地として知られる山梨県の長崎幸太郎知事はツイッターで、河野氏の投稿に対し「限りない『嫌悪感』。印章関係者の健気な想いや切実さに対する敬意はおろか想像力すら微塵(みじん)も感じられない」と批判した◆はんこに文字を刻む「篆刻(てんこく)」は中国や日本の大切な文化だ。沖縄でも長年鍛錬を続けてきた人たちが、血のにじむような思いで美しい作品を作り上げている。個性的なはんこの一つひとつは、見ているだけで楽しい。河野氏のツイートは、はんこを愛する人への配慮が不足していた。河野氏は「誰かを不快にする意図はない」と陳謝した◆便利さの追求が「アナログ」の温もりを犠牲にすることと表裏一体であってはならない。人間味のある「デジタル化」を目指したい。  (N)

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