【視点】沖縄も「第3波」に備えを

 全国の新型コロナウイルス新規感染者は12日、過去最多の1660人に達し、4月、8月に続く「第3波」襲来の可能性が強まってきた。沖縄でも13日、新規感染者数が49人となり、20日ぶりに40人を突破。さらなる感染拡大の様相が強まっている。
 東京、大阪など大都市圏の感染拡大が時間を置いて沖縄にも波及する、というのが従来のパターンだった。
 13日現在、直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数は1位北海道(23・89人)、2位大阪(14・64人)、3位東京(13・48人)で、沖縄は4位の12・70人となっている。
 沖縄は長く続いた全国ワーストは脱したが、それは県内の状況が改善されたというより、他地域の状況悪化が顕著になった結果と見てよい。沖縄が今後を楽観視できる要素はまだ何もない。
 このままの状況だと、沖縄も「第3波」襲来は間近だという危機感を持ち、感染予防の徹底や、医療体制確保などの準備を進めなくてはならない。
 感染者の流入による「移入例」も心配されるが、沖縄を訪れる観光客数が減少傾向にある中で、最近はむしろ家庭内や飲み会などでの二次感染、三次感染が頻発している。年末年始のシーズンが近づき、人の移動や会合などの機会が増えれば、感染リスクはさらに高まる。
 全国知事会は今月5日、年末年始を前にメッセージを発表し「飲酒は少人数・短時間で」「席の配置は斜め向かいに」「ガイドラインを遵守したお店で」などと呼び掛けた。体調が悪い人は帰省や旅行を控えること、旅行先などで体調が変化した場合は外出や観光は控え、その地域の保健医療当局に相談することも求めた。一人ひとりの自覚で感染リスクを下げたい。
 冬場のインフルエンザ流行と「第3波」が重なる可能性もかねてから危惧されてきた。インフルエンザと新型コロナの症状は重なるため、医療現場の混乱も予想される。医療現場に負担を掛けないための方策を練る必要がある。
 八重山でも断続的に新たな感染者が確認され続けている。県立八重山病院は一時、感染症用病床が逼迫(ひっぱく)する状況になったが、13日現在の入院患者は9人で、一時期よりはやや状況が緩和された。ただ重症者もおり、厳しい状況であることに変わりはない。感染者が増えれば、宿泊療養施設や自宅療養が活用される機会が増えるかも知れない。医療現場を住民みんなで支える意識を持ちたい。
 新型コロナの襲来で観光を基幹産業とする沖縄経済は大きな打撃を受けた。年の瀬に向け企業の資金需要が高まる中で「年末年始を乗り切れるか」という不安を抱いている事業者も多いだろう。国、県のしっかりしたセーフティネットが求められる。
 県は9日、経済対策基本方針を改定し①経済的損失を最小化し、経済を回復への転じるための「出口戦略」を定義する②当面の短期的戦略として経済の礎(いしずえ)を築く取り組み、「新しい生活様式」にマッチした社会の構築に向けた中長期的な取り組みを行う―などとする方針を示した。明確なビジョンに基づいた政策展開に期待したい。

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