八重山防衛協会の三木巌会長ら役員が13日、大浜信泉記念館で記者会見し、防衛省に対し、八重山に海上自衛隊基地を配備するよう要請したことを明らかにした。石垣島では陸上自衛隊の駐屯地建設計画が進んでいるが、尖閣諸島や周辺海域の警戒監視体制と防衛力を強化するため、八重山に海自の拠点も整備するよう求めた。
三木会長、黒嶋克史副会長、我喜屋隆副会長、大濱達也副会長ら7人は10月20日、防衛省を訪れ、海自基地の配備を求める岸信夫防衛相宛ての要請書を坂本大祐防衛計画課長に渡した。
要請書では、尖閣諸島周辺海域を航行する中国公船「海警」が中国海軍と一体的に運用されていることを指摘し「中国海警局船に対応するには、海上自衛隊のこれまで以上の役割が重要」と訴えた。坂本課長は「重く受け止める」と応じたという。
海自誘致は7月末の役員会で決定し、9月の役員会で要請文の内容を確認した。役員から異論はなかったという。
記者会見で三木会長は「何年先になるか分からないが、国際情勢を見ると、早いところ配備してほしいと話した」と説明。尖閣海域で日中の緊張が高まっている現状について「(海自の艦船が)石垣島に寄港してプレゼンスを示してほしい」と期待した。
配備場所に関しては「専門家が決める」と述べ、同協会としては、3市町のいずれかも含め特定しない考えを示した。要請内容について3市町とは事前に調整していないが、要請することは市に報告したという。
砥板芳行事務局長は、海自誘致で港湾整備などに弾みがつくとの見方を示し「防災も含め、先島のインフラ整備も併せてやってほしいという目的もある」と強調した。