俳優の故・高倉健さんと生前交流を深めた富野小中学校(宮川るり子校長)は14日、高倉プロモーションの小田貴月代表が来校するにあたり感謝の会を開き、7回忌を迎えた高倉さんを偲ぶとともに互いに親睦を深めた。小田代表は「日本中に欠落している本当の豊かさが富野小中学校にはある」という生前の高倉さんの言葉を紹介した。
同校からはソーラン節とエイサーの披露、小田代表からは高倉さんの著書「南極のペンギン」と手作りの人形が贈られた。
両者の交流は、1999年に石垣を訪れた高倉さんが偶然開かれていた同校の運動会に感動し、自身のラジオ番組でその様子を取り上げたことから始まった。生徒がお礼の録音テープを贈り、高倉さんは石垣のきれいな自然を見てほしいと双眼鏡を贈ったという。
高倉さんが亡くなった2014年以降も、同校は偲ぶ会を開き毎年記憶を繋いできた。11月10日の7回目の命日には、主演映画「幸福の黄色いハンカチ」にちなんで黄色いハンカチ100枚を校庭に掲げた。同校の思いに感動した小田代表が電話をかけ、来校が決まったという。
小田代表は「彼を思う皆さんの温かさが本当にうれしい。コロナ禍でもあったが、どうしても直接お礼を伝えたかった」とあいさつした。
感謝の会では、高倉さんが同校を訪れた様子を書いた本「南極のペンギン」を生徒らが朗読し、ソーラン節とエイサーの披露が行われた。小田さんからは本の贈呈とともに「ご縁をつないでくれてありがとう」と綴られた手紙と羊毛で作られた白い天使の人形が贈られた。
比嘉海七斗さん(中1)は、「高倉さんが来た時は生まれてさえいなかったけど、俳優としても人としても偉大な方だったんだと分かる。後輩に受け継いでいかなければと改めて思った」と話した。
宮川校長は、「素晴らしい方と交流があったことを誇りに思う。高倉さんの人柄は校訓の『美ら心』に通ずるものがある。思い出を大事に残していきたい」と話した。