【金波銀波】県内21市町村で日、成人式…

 県内21市町村で10日、成人式が開かれたが、新型コロナウイルスの影響で昨年までとは光景が一変した。テレビなどで見ると、参加者は全員マスク姿で、恒例のプログラムも感染対策で大幅に縮小。県や各自治体は宴会の中止を呼び掛け「門出を祝う」雰囲気より厳戒ムードのほうが目立つ◆宮古島市と粟国村は成人式そのものの中止を決めた。離島の脆弱な医療体制を考慮すると、やむを得ない判断だろう。石垣市は3月21日に延期した◆県によると今年の新成人は1万6729人で前年比116人減。県内11市中、8市で前年より減少しており、沖縄でも少子化の進行が顕著だ。一方で高齢者は増加し、若者たちの負担は増す。羽ばたく先の世界はコロナ禍の動乱だ。バブル崩壊後の「就職氷河期」世代にも匹敵する、前途多難な世代かも知れない◆しかし自分の人生を振り返っても「頑張れば世界は変わる」と素直に信じられた時代が多感な20代だった。慶事に披露される八重山の民謡「鷲ぬ鳥節」は、生まれたばかりの若鷲が太陽に向かい、力強く飛翔する姿を歌う。現代の若者たちの姿がオーバーラップする◆観光が大打撃を受けた沖縄は、今年もさらなる困難に直面するだろう。難局打開へ、今こそ若鷲のパワーが必要だ。(N)

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