字名変更前 市に再三抗議 中国、中止狙い圧力か

石垣市が昨年10月、尖閣諸島の字名を「登野城尖閣」に変更する前、中国駐福岡総領事館から市に対し、電話で再三の抗議があったことが分かった。字名変更を中止させるため、市に直接、圧力を掛ける意図があったと見られる。

尖閣諸島の字名は当初「登野城」だったが、2015年、元自衛官の奥茂治氏(72)=那覇市在=が市に対し、字名に「尖閣」を加えるよう陳情した。
市議会では一般質問で仲間均市議がこの件を取り上げ、17年、中山義隆市長が字名変更の議案を議会に上程する考えを表明。全国紙でも報道された。
市によると、議案提出前の17年12月6日、中国駐福岡総領事館の担当者から「市長に抗議したい」と電話があった。市の担当者が、まだ議案が提出されていないことを説明すると、同総領事館からは6日後、「議会に議案を提出したのか」と問い合わせの電話があった。
市は議案の提案をいったん見送ったが、市議会は18年6月25日、尖閣諸島の字名変更を求める決議を可決した。
2日後、同総領事館の担当者が電話で市に対し「決議は極めて残念」「中日関係がやっと正常に戻ったところで、このことは中国主権の侵害になる」「中日両国の4項目の共通認識をきちんと守ってもらいたい」「長期的に友好関係を保つため努力してほしい」と申し入れた。
7月2日には、同総領事館から申し入れに対する市の対応を問う電話が入った。市の担当者は「議会事務局に電話の内容を伝えた」と回答した。
市は20年6月9日、市議会に字名変更の議案を提出。これに対し19日、同総領事館の担当者が電話で「(尖閣諸島の)名称を変更しても、中国固有の領土であることに変わりはない」と市に抗議した。議案は23日に賛成多数で可決され、10月1日から施行された。
字名変更を陳情した奥氏は、字名変更の動きに対する中国側の圧力について「とんでもないの一言だ。尖閣諸島は日本の領土なのに、なぜ中国が抗議するのか。字名変更までの経緯を、国民にもきちんと知ってほしい」と話した。
字名変更を巡っては、17年12月に市の姉妹都市・台湾蘇澳鎮から問い合わせの書簡があり、市は回答で理解を求めた。

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