石垣市の陸上自衛隊配備を巡る住民投票訴訟控訴審で、福岡高裁那覇支部は20日、判決を3月23日に言い渡すことを決めた。
控訴審第1回口頭弁論が支部で開かれ、被告の市側が原告住民側の訴えを却下した那覇地裁判決の破棄を求める住民側の控訴を棄却するよう主張した。住民側は控訴理由を述べ、結審した。
住民を代表して石垣市の畜産業宮良央さん(代読)が意見陳述で「地裁判決は住民投票の実施を求める署名が市の有権者の40%に上る署名が集まったのに投票の実施を拒んだ市のさぼりを不問にし、民主主義の救済の道を阻んだ」と語った。
原告弁護団が弁論後に記者会見し、大井琢団長が「地裁判決は住民の救済を広く酌む判例の流れに逆行している」と批判した。
訴えによると、住民側の「石垣市住民投票を求める会」が2018年11月、石垣市の陸自駐屯地配備の賛否を問う住民投票の実施を求め、1万4263人の署名を市に提出した。市は市議会に住民投票条例案を出し、19年2月に否決された。
住民側は市の投票義務付けを求めて19年9月に提訴し、地裁は20年8月、「義務付けは行政事件訴訟法上の訴えの対象となる処分に当たらない」として訴えを却下した。