(有)石垣コミュニティ―エフエム(東太田政三代表取締役)は28日、石垣市川平で、FM放送中継局の鉄塔建設工事に着手した。近隣住民は反発しており、工事差し止め訴訟も視野に反対行動を展開する構え。
同社の委託業者がこの日、予定地に工事車両を入れた。建設地変更を求める住民がプラカードを持ち、着工に抗議した。
住民の野底紀子さんは、台風や落雷で鉄塔が被害を受ける可能性を懸念し「総務省と石垣市に対し、構造上の安全性について調査を求め、近隣住民に回答があるまで工事の一時中止を求める。本当に残念なのは、ラジオ局による住民説明会が一度も開催されていないことだ」と訴えた。
建設地変更を求めるため、ホームページでの情報発信も進める考えを示した。
同社は当初、27日に着工する予定だったが、近隣住民の抗議を受け、着工を先延ばししていた。
東太田代表取締役は、3月末までに工事が完了しない場合、総務省の補助金が交付されないとの見通しを示し「予定地変更のために工事を繰り越した場合、補償がどうなるのかが確認できない。工事は止められない」と強調。「(トラブルが起きたことは)川平地域の住民に申し訳なく思う。早期の難聴地域解消に努めていきたい」と話した。
中継局鉄塔は高さ約24㍍。建設地は市有地で、同社は8日に市と賃貸借契約を締結した。中継局鉄塔建設を川平と伊原間の2カ所で進める計画で、2月には伊原間でも着工する。ともに3月末までに完成の予定。4月に供用開始し、島内の難聴地区解消を図る。