県は30日、八重山で新型コロナウイルスの新たな感染者が確認されなかった、と発表した。石垣市で新規感染者の発表がないのは3日以来、27日ぶり。
石垣市では昨年12月から、沖縄本島渡航者などが発端と見られる市中感染が拡大。県立八重山病院で感染者の入院患者が感染症対応病床を上回るなど、医療体制が急速に逼迫(ひっぱく)した。
中山義隆市長や八重山病院の篠﨑裕子院長らは記者会見などで医療崩壊の危機を訴え、住民に対し、不要不急の外出自粛や会食の自粛を呼び掛けた。県は、こうした取り組みが住民に浸透しつつあると見ている。
市はPCR検査の費用助成を開始し、保険診療検査で検査当日に結果が判明する仕組みを構築した。濃厚接触者に対する早期のPCR検査で感染拡大を抑え込む戦略が奏功している。県、市は引き続き住民に対し、緊急事態宣言中は不要不急の外出や会食を控えるよう求めている。
八重山の感染者数は29日までに計268人。八重山病院には30日現在、中等症4人、軽症3人の計7人が入院している。宿泊施設の入所者は4人。一般病床使用率は76・5%。