石垣市は25日までに、新型コロナウイルスの影響で失業・休業した観光関係者を短期アルバイトとして雇用する事業の対象範囲を拡大し、全業種から希望者を受け入れる方針を決めた。事業所の休業や営業時間短縮が広がり始めたことを受け、今月に入り、就労を希望して登録した市民は3倍近く増えた。市観光交流課は「新型コロナが収束すれば雇用も戻る。何とか冬の時代を乗り越えてほしい」(玻座真保幸課長)と話している。
事業は市が新型コロナの経済支援策として昨年11月からスタート。失業・休業した市民の観光関係者を1日数時間程度の短期アルバイトとして雇用していた。
業務内容はほとんどが市役所各課からの依頼で、公共施設の除草、電話での調査業務、写真撮影、海岸清掃、プロ野球ロッテキャンプの会場準備など、25日現在で25種類がリストアップされている。
業務委託を受けた市観光交流協会によると、就労を希望して登録した市民は昨年12月時点で10人程度だったが、今月に入って急増し、25日現在で28人になった。国や県の緊急事態宣言の影響で観光関連事業所の休業や時短が広がった影響と見られる。
登録者は20代から70代までと幅広く、これまで働いていた業種もホテル、旅行会社、タクシー会社、マリンレジャーなど多岐に渡る。
25日から事務作業で勤務を始めた女性(52)は、ホテルで勤務していたが、宿泊客の急減で今月中旬から休職になった。「ホテルから休業補償は出るが、家賃を払って食費が出るかどうかの金額。全く仕事がないより、短期でも働けるのは助かる。気持ちの張りも違う」と話した。
事業の対象範囲拡大は、県が独自の緊急事態宣言を出したことを受け、19日に中山義隆市長が発表した。これを受け市は25日、全業種から就労を受け入れる方針をホームページに掲載した。従来通り、石垣市民であることが条件。期間は3月12日まで。
事業費は2500万円で、財源は全額が国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金。問い合わせは市観光文化課℡0980・82・1535または市観光交流協会℡0980・82・2809。