新型コロナウイルス感染防止のため、市民に不要不急の外出自粛や会食自粛を呼び掛けている石垣市の中山義隆市長が、宮古島市長選(1月17日投開票)の応援で宮古入りし、2日間にわたって居酒屋やスナックで地元関係者と会食していたことが分かった。宮古島市ではその後、新型コロナの感染拡大が深刻化し、選挙関係者の感染も確認されている。中山市長は2日の市議会で「宮古島市の感染拡大状況を見ると、今さらながらではあるが自制すべきだった」と陳謝した。
中山市長によると、宮古島市には15日に入り、地元関係者の招きで15、16日の2日間、それぞれ2~3軒の居酒屋やスナックを訪れた。
人数は最大でも4人で、店での滞在時間は30分から1時間程度だったという。それぞれの店では、消毒などの感染防止対策が取られていることを確認した上で入店したとしている。
当時、県の緊急事態宣言は出ていなかったが、県は宮古島市を含め、飲食店に午後10時までの営業時間短縮を要請していた。
中山市長は取材に対し、店を出た時間について「午後10時以降だったかは分からないが、可能性はある。日付はまたいでいない」と述べた。石垣島に戻ったあとは「自己隔離し、飲食を伴う会合への参加は見送った」と説明している。宮古島市で接触した選挙関係者に感染者はいないという。
宮古島での会食はこの日、県紙2紙の報道で発覚し、中山市長は市議会で「石垣市民に不安を与えてしまったこと、宮古島市の皆さまにご迷惑をお掛けしたことを心からお詫び申し上げる。大変申し訳なかった」と頭を下げた。石垣市での感染予防対策は「しっかり取られている」と強調した。
野党からは「市長は宮古島市長選から帰った後、プロ野球のキャンプなどの公式行事に参加している。この間の公務のあり方は、これで良かったのか」(宮良操氏)などと批判する声が出た。