クーポン券で観光体験を 石垣市、全高校生に配布へ コロナ禍中の需要喚起

 新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少する観光業界を支援しようと、石垣市は全高校生に対し、観光事業所で使える3万円のクーポン券を配布する。高校生に観光サービスを体験してもらうことで、島への愛着を高めたり、将来、観光業界で活躍する人材を育てたい狙いもある。3月中には高校生がクーポン券を使用可能になるよう準備を進める。

 国の観光支援策「GOTОトラベル」キャンペーン停止や、国、県の緊急事態宣言で八重山を訪れる観光客は急減している。市は地元住民に観光事業所を利用してもらうことで、落ち込んだ売り上げを補填してもらおうとクーポン券発行を企画した。
 ただ、クーポン券を全市民対象に発行するのは予算が厳しく、対象を高校生に限定した。八重山高校、八重山農林高校、八重山商工高校、八重山特別支援学校高等部の全生徒で計約1300人になる。
 クーポン券の配布方法や配布時期は今後検討する。ただ、緊急事態宣言の影響を受けた事業所を下支えするため、可能な限り宣言の期間中にクーポン券を利用してもらう考え。
 今後、事業の委託先や、クーポン券が利用可能な事業所を募集し、3月からは高校生が実際に観光サービスを受けられるよう体制を整える。
 クーポン券が利用可能な店舗は、宿泊業、ダイビング、レンタカー、ホテルのレストランなど、多岐にわたる業種を想定している。
 事業費は約4530万円で、財源として今後交付される地方創生臨時交付金を見込む。2日の市議会臨時会で、事業費を盛り込んだ一般会計補正予算が可決された。
 市観光文化課は「時短要請に応じている飲食店には協力金があるが、その他の観光事業所には支援がなく、観光需要を喚起する必要がある。高校生に観光業のことを知ってもらう良い機会だ」(玻座真保幸課長)と期待した。

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