尖閣海域に出漁 中国「海警法」施行後初

尖閣諸島周辺海域に向かう漁船を臨検する海上保安庁の職員=5日午後、登野城漁港

 八重山漁協所属の「恵美丸」「第一桜丸」が5日午後8時ごろ、石垣市の登野城漁港から尖閣諸島周辺海域に向けて出港した。中国が1日、海警局の艦船に武器使用を容認する「海警法」を施行したあと、八重山の漁船が尖閣海域に向かうのは初めて。
 2隻には漁業者が2人ずつ乗船している。この日午後3時過ぎ、海上保安庁の職員が次々と船に入り、臨検を行った。
 「第一桜丸」オーナーでチャンネル桜社長の水島総氏は「勇気ある漁師が漁をやってくれる。大漁を目指したい。安全に帰ってきてもらうことが大事」と強調した。
 水島氏と長尾敬衆院議員は漁船への同乗を求めていたが、水産庁は尖閣海域に向かう場合、漁業者以外の乗船は認めないとして許可しなかった。「純粋な漁業活動とは認められない」などと伝えられたという。
 水島氏らと共に来島した長尾氏は「海警法が施行されたことで、第二海軍の軍艦が日本漁船の目の前に来るような状況になる。海警法は国際秩序に対する挑戦だ」と指弾。一方で「日本政府が海警法を国際法違反だと言い切れないことに、忸怩(じくじ)たる思いがある」と語った。
 石垣市で漁業者の意見を聞き、今後の安全保障に関する議論に生かす考えを示した。
 水島氏は、自らと長尾氏のほか、漁業見習いとして申請した数人の乗船も認められなかったことから、海保の担当者に厳しく説明を要求。出港時間は当初の予定から大幅に遅れた。
 尖閣諸島周辺では武装した中国海警局の艦船が連日航行。「海警法」では、自国主権の侵害を排除するため、艦船に武器使用を含むあらゆる措置を認めている。

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