第十一管区海上保安本部によると、15日午後1時半ごろから、尖閣諸島(石垣市登野城尖閣)周辺の領海に中国海警局の船「海警1301」「海警2502」の2隻が侵入し、南小島の南南東海上で航行していた日本漁船1隻に接近しようとする動きを見せた。中国公船が領海侵入するのは7日以来で、今年6日目。
中国海警局に武器使用を認める海警法が1日に施行されたあと、中国公船が領海侵入し、日本漁船に接近するのは3回目。漁船の操業を妨害することで、尖閣諸島の領有権を主張する狙いがある。
操業中の漁船は9・1㌧の2人乗り。八重山漁協に所属し、石垣市議の仲間均氏が乗船する「鶴丸」と見られる。仲間氏は尖閣周辺での漁を継続的に行っており、魚を東京に出荷し、ブランド化する取り組みも進めている。15日朝、尖閣諸島に向けて石垣島から出港した。
海保は中国公船に領海からの退去を要求。漁船の周辺に巡視船を配置し、漁業者の安全を確保した。
政府は首相官邸に官邸対策室を設置し、情報収集に当たった。
尖閣周辺の領海外側にある接続水域では、機関砲のようなものを搭載した「海警1305」のほか「海警6303」が航行している。尖閣周辺で中国公船が確認されるのは3日連続。