県立八重山高校(黒島直人校長)の家庭クラブは、今春卒業する3年生の制服を回収し、リユース(再利用)して新1年生に無償提供する企画「制服リレー」を実施する。沖縄で初めて、昨年度から始まった取り組みだ。2年生の上地佑妃乃さん(17)は「高校生でもSDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)に貢献できることを示したい」と意気込んだ。
同クラブ(河野真紀顧問)は校内のSDGs普及活動に取り組む。3年生の福聚桃葉さん(17)、平良由香子さん(18)らが、ファストファッションの現実を描いた映画「ザ・トゥルー・コスト」を観て企画を思いついた。
生徒らが昨年実施したアンケートによると、3年生の15%が卒業後は制服を破棄し、41%がタンスにしまう予定だと回答している。
「制服リレー」は、制服を「循環」させることでSDGsでも掲げられている「使う責任」を意識する目的。福聚さんは「制服のリユースを通してSDGsを意識してほしい。昨年は40着集まったので、今年はそれ以上の回収を目指す」と語った。
生徒らは、インスタグラムでの宣伝や3年生の教室へのポスター設置を通して制服の提供を呼び掛けている。卒業式直後の3月2日~22日まで、同校の事務室で制服を回収する。
嘉手川こころさん(2年)は「1年生に物の有難さを感じてもらいたい」、下地凜さん(同)は「先輩たちが立ち上げた沖縄初の取り組みをしっかり受け継ぐ」とそれぞれ決意した。
高校生の取り組みを発表する「マイプロジェクトアワード2020」や「琉大SDGsシンポジウム2020」にも参加し、島外への周知活動にも力を入れているという。
河野顧問は「3年生はじめ、地域の方にも取り組みを知ってほしい。多くの提供を期待する」と話した。