八重山初となる新型コロナウィルスワクチンの優先接種が8日午後、県立八重山病院と石垣島徳洲会病院で始まった。八重山病院では米ファイザー製ワクチンを篠﨑裕子院長始め、医療従事者60人に接種。徳洲会病院では20人に接種された。
八重山病院では午後2時からこの日に割り当てられた希望者が特設会場を訪れ、問診で体調や基礎疾患などの確認後、ワクチンを接種。副反応を見るため最低15分の経過観察も行われた。
八重山病院では対象者596人中、517人が接種を希望。16日までに1回目の接種を終え、29日から2回目の接種を開始するという。徳洲会病院は91人。どちらの病院も副反応が出た場合に備え、業務に支障がきたさないよう分散して接種する予定という。
ワクチンを打った篠﨑医院長は「ワクチンを打つことで院内の感染拡大を防ぎ、重症化のリスクを減らしたい。医療側としても、重傷者の対応をせずに、軽症などの治療で終われるようにしたい」と話し、一般接種に向け「できるだけワクチンを打っていただき、集団免疫を持つことで広がりを減らしたい。なるべく皆さんに打っていただきたい」と呼び掛けた。
同じくワクチンを接種した集中治療室(HCU)で勤務する看護師の城間絵里加さん(32)は「自分も感染するかもしれないという恐怖はつきまとっていたが、接種をすることで重症化を防げると言われているので、引き続き感染症対策をしながら、以前よりも積極的に治療を行えると思う」と話した。
八重山地域では八重山病院などの医療従事者、患者搬送に携わる消防や海上保安庁、市中クリニックなど医療機関の順にワクチン接種を行っていく方針。八重山の優先接種の対象者は約1700人。