石垣市議会の与党が尖閣諸島を民間チャーター機で上空から視察する計画を立てていることが12日、明らかになった。15日の3月定例会最終本会議に「国の特段の配慮」を求める意見書案を上程する。チャーター機は仲間均市議が既に確保しており、今後、国に飛行許可を求める。
意見書案では、尖閣諸島の字名が「登野城尖閣」に変更されたことを受け、新たな行政標柱の設置は不可欠だとして「現状がどのようになっているのか現地視察を実施すべき」と指摘。市当局と市議を乗せた民間ヘリによる視察を早急に実施できるよう強く要請している。宛て先は首相、官房長官、外相、防衛相など。
仲間氏によると、海保の巡視船に同乗しての海からの視察も打診したが、断られたという。民間チャーター機は5~7人乗りで、数回に分けた飛行を想定している。ただ意見書案が可決された場合でも、国は視察に難色を示す姿勢という。
12日の議会運営委員会(仲間委員長)で意見書案が審議され、野党は視察について「現実性がない」などと反対したが、与党の賛成多数で最終本会議への上程が決まった。最終本会議でも可決される見通し。
尖閣諸島周辺などを航行する海警局の艦船に武器使用を容認する「海警法」を中国が施行したことに対し「国際法違反」と指摘する意見書案も最終本会議に上程される。日本政府に対し「強い懸念だけでなく、撤回を求め、抗議すべき」と求める。宛て先は首相、官房長官、外相、防衛相など。
与党の石川勇作氏が議会運営委員会に提案し、全会一致で上程が決まった。最終本会議でも可決される見通し。
議会運営委員会では与党の友寄永三氏が、日本と台湾の関係を強化する「日台関係基本法」制定を求める意見書案を提案し、与党の賛成多数で最終本会議への上程が決まった。
原案では中国を「国際社会最大の脅威」と名指ししていたが、日中関係悪化を懸念する公明が、この部分の削除を条件に賛成した。