石垣市新型コロナウイルスワクチン集団予防接種シミュレーションが21日午後、市健康福祉センター検診ホールで行われた。八重山地区医師会の医師・看護師らがワクチンの接種体制を確認し、改善点などを洗い出した。医師会のワクチン接種ワーキンググループのリーダー、鈴木光医師は「県に接種体制が整ったと報告する予定。早急にワクチンが届けられると期待している」と話した。
同センターによると、他の自治体では接種会場で予診票を記入することなどから接種が円滑に進まないことがあったといい、市では被接種者が接種日時を予約する際に予診票を提出させることで、事前に接種の可否を判断する方法を取る方針。
この日は同センター職員と市役所職員による計40人の被接種者を想定。被接種者は入口で検温と本人確認を済ませ、提出していた予診票と接種予定時間付きリストバンドを受け取って、会場内の接種者ゾーンに移動した。
ホール内では1列10脚が計4列準備され、被接種者は指定された場所に着席して予診票に当日の体温と体調を書き込み、医師の確認サインをもらって接種を待機した。
医師・看護師はワクチンの薬液を詰めたシリンジを移動式処置台に載せ、待機する被接種者一人ひとりに接種。細かな改善点をその場で協議した。
接種し30分の観察時間を経過した人は、接種済み票と遅延副反応に関する情報書を受け取り、接種を完了させた。
また同センターは医師・看護師には知らせず、被接種者の中に副反応を示すなどの役割を割り振っており、医師らは副反応者を処置室に運び対処するなど、その場その場の対応方法を確認した。
鈴木医師は「全国での接種体制の経験を総合した上でより良い体制を構築してきた。今後も得られたことを生かして効率よく安全にやっていく」と強調。1日当たりの接種人数について「序盤は慎重に行い、医師2人の1時間で40人ほど、午前・午後合わせて240人ほどだろう。ただ数がこなせれば看護師が接種したり接種日を増やしたりしながら、最終的には1000人を目指したい」と話した。