新型コロナウイルスが沖縄本島中南部を中心に急拡大する中、八重山日報社は7日、石垣市の産業医で、医療法人上善会かりゆし病院長の境田康二氏に、八重山の感染対策に関してインタビューした。境田氏は、八重山で感染者の濃厚接触者を迅速に特定する体制が確立され、感染対策が「うまく機能している」と指摘。「第4波」阻止に向け、住民などに対し、体調に異変を感じた場合は積極的にPCR検査を受けるよう求めた。
八重山で感染の抑え込みが成功してきた理由として、昨年12月、かりゆし病院にPCR検査機器が設置され、検査当日に結果が判明する体制が構築されたことを挙げた。「離島なので、外から入り込んだ感染者をいかに早く見つけて抑え込むかに気を付ければいい。その繰り返しがうまく機能している」と述べた。
沖縄本島の「第4波」が八重山に波及する可能性について「観光客が入ってくれば、当然ウイルスも持ち込まれる。感染者は出て当然」とし、住民や観光客に対し「少しでも症状があれば相談外来に電話し、検査を受けてほしい」と呼び掛けた。
今後、本格化すると見られるワクチン接種に関しては「一つのターニングポイントになる」と予想。「皆が打ってほしい。打たない理由は考えられない」と強調した。ただ、ワクチン接種のスケジュールは「全体で2カ月ほどの遅れではないか」との見通しを示した。
一部にワクチンの副反応を懸念する声があるが「抗生物質やインフルエンザワクチンでもアナフィラキシー(アレルギー反応)は起きることがある。きちんと対処すれば問題ない」と不安を打ち消した。