沖縄本島島南部の土砂を辺野古移設に使わせないよう求める運動が全県に波紋を広げている。遺骨収集ボランティア団体「ガマフヤー」の具志堅隆松代表が「沖縄戦戦没者の遺骨が混ざっている可能性がある」と訴えたことがきっかけで、石垣市議会を含め、県内各地の議会が次々と具志堅氏に賛同する意見書を可決した◆焦点は、土砂採取業者が開発届を出している糸満市の土地。搬出される土砂は辺野古移設に使われる可能性があるが、具志堅氏の訴えを受け、県が業者に土砂採取の中止命令を出す可能性もあると見られている◆渦中の業者は8日、県議会土木環境委員会で参考人として陳述。遺骨が混ざる可能性がある表土は土砂採取後に再び埋め戻すとして「人為的でない限り、遺骨が混ざる可能性は100%ない」と断言した◆具志堅氏も翌日、同委員会で「土砂を軍事基地建設に使うのはやめてほしい」と求め、両者は真っ向から対立した◆県は16日までに土砂採取の可否を判断するというが、「県民感情」などの政治的理由で業者の営業権を制限できるか。土砂採取の規制が辺野古移設だけでなく、沖縄の将来的なインフラ整備に悪影響を与えないか。石垣市議会でも与野党で意見が割れたが、県は困難な判断を求められそうだ。