【金波銀波】沖縄本島南部の鉱山で…

 沖縄本島南部の鉱山で採掘予定の土砂に遺骨が混入している可能性があるとされた問題で、玉城デニー知事は業者に遺骨の有無を確認することなどを求める措置命令を出した。採掘の中止命令は業者の営業権を侵害する恐れがある。措置命令の内容はいわば当然で、この問題は収まるべきところに収まった◆基地反対派は、土砂を「米軍普天間飛行場の辺野古移設工事に使わせない」と訴えてきた◆遺骨を含む土砂が何らかの工事に使われることはあってはならない。だが遺骨を含む可能性だけを理由に、特定の工事を名指しして使用に反対するのは、遺骨問題の政治利用に当たりかねない。戦没者の御霊に対しても非礼だろう◆県議会で遺骨を含む土砂の使用に反対する意見書を可決した際も、与野党は「辺野古」という文言を使わないことで折り合った。こうした経緯を踏まえれば、県は遺骨問題と辺野古移設を安易に結びつけるような発信を厳に慎むべきだ◆一連の出来事で浮き彫りになったのは、戦後76年を経ても沖縄戦犠牲者の遺骨が回収されず、土中に眠ったままになっている痛ましい事実だ。多くの県民が尊厳もなく死んだ。八重山でも戦争マラリアの死者が穴に埋められたという証言がある。その意味では沖縄全体が墳墓である。

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